設計事務所とコンサルの違い!園舎で失敗しない発注者向けガイド

query_builder 2025/06/06
コラム
著者:龍美一級建築士事務所
06設計事務所 コンサル

「園舎の設計、何から始めればいいのか分からない」
「認可取得の条件が複雑で不安…」
そんな悩みを抱えていませんか?


保育園の開設や老朽化した施設の建て替えを検討する経営者や行政担当者にとって、園舎の設計・施工には非常に多くの「見えない壁」が存在します。


敷地条件の制約、日影や容積率などの建築規制、発注者としてのプロポーザル対応、そして保護者対応に至るまで、すべてが事業成功を左右する重要なポイントです。


東京都内では設計条件の明確化不足により、プロポーザル不成立が年間12件以上発生しているというデータもあり、設計事務所やコンサルタントとの連携は今や不可欠といえます。


建築士や建設コンサルタントによる設計支援、発注計画のマネジメント体制があってこそ、施設整備はスムーズに進みます。


本記事では、実際に園舎づくりを支援してきた建築設計事務所や設計コンサルタントの事例とともに、読者の立場別に解決すべき課題を整理。
最後まで読むと、「設計と経営の橋渡し役としてコンサルティングがどう役立つか」「成功事例に共通するソリューションの本質」が見えてきます。

機能美と創造性を両立した建築設計を提供します|龍美一級建築士事務所

龍美一級建築士事務所は、園舎や保育施設、集合住宅などの建築設計を手がける設計事務所です。お客様のご要望に応じた機能的で美しい建築デザインを提供することに努めています。特に保育環境に配慮した設計が得意で、安心・安全かつ創造性を育む空間作りを目指しています。豊富な経験と実績をもとに、質の高いサービスを提供し、信頼に応える建築物を実現します。

龍美一級建築士事務所
龍美一級建築士事務所
住所 〒263-0054千葉県千葉市稲毛区宮野木町1812-9
電話 043-239-7238

お問い合わせ

 

設計事務所と設計コンサルタントの違いとは?

設計事務所とは?園舎における設計の専門性と責任

設計事務所は建築士法に基づき、建築物の設計および工事監理を専門に行う機関です。園舎という子どもを預かる特殊な用途施設においては、単なる建物設計だけでなく、法令遵守、安全基準の確保、快適性や意匠性、さらには子どもたちの動線や保育士の働きやすさまで総合的に設計へ反映する高度な専門性が求められます。


特に園舎設計では、保育所・幼稚園などの設置基準や建築基準法、消防法など複数の法規制を満たす必要があります。子どもたちの安全確保という視点からは、転倒防止や落下防止の工夫、緊急時の避難経路の配置なども重要になります。設計事務所の役割は、それらの条件をすべて踏まえて、機能性とデザイン性を兼ね備えた園舎を実現することにあります。


また、意匠設計だけでなく構造設計・設備設計の統括や、必要に応じて構造計算適合判定や建築確認申請などの行政手続きまで一貫して対応するケースもあります。これにより、発注者である園の運営者は設計と工事の工程管理を一元的に任せられるため、リスク回避や円滑なスケジュール進行が期待できます。


園舎設計に特化した設計事務所では、以下のような知見と経験が重視されます。


主な対応項目 内容
園児動線設計 年齢別の行動特性を踏まえた空間構成
安全面対応 転倒・落下防止の設計配慮、バリアフリー設計
意匠性 園の方針を反映したファサード・色彩計画
保育士導線 業務効率や視認性を考慮したスタッフ動線
許認可支援 建築確認申請、消防・衛生対応の書類作成支援


設計コンサルタントとは?保育施設に必要な経営視点と補助金活用支援

設計コンサルタントは、単なる設計業務にとどまらず、園舎を含む保育施設の事業計画全体を統括する立場にあります。施設運営者が目指す経営目標に対し、立地選定・収支計画・補助金活用・関係官公庁との調整など、事業を成功に導くための上流工程から支援を行います。


近年の園舎建設では、少子化や保育需要の地域格差といった社会課題、地域密着の運営方針、国・自治体からの補助制度などが複雑に絡み合います。こうした中で経営判断を下す園側にとって、資金調達や制度利用に精通した設計コンサルタントの存在は極めて重要です。


設計コンサルタントの主な業務は以下の通りです。


項目 内容
事業計画立案 開園スケジュールや収支シミュレーションの作成
補助金対応 保育所整備交付金、認定こども園移行支援金などの申請支援
行政調整 所管自治体との事前協議・交付要件の整理
土地活用提案 敷地条件に応じた事業スキーム構築
設計事務所との調整 実施設計との整合性を確保しながら最適提案を実施


両者の違いと連携で得られるメリット

設計事務所と設計コンサルタントは、似たような領域で活動しているように見えることもありますが、両者の専門性は明確に異なります。設計事務所が担うのは建築そのものの設計と工事監理。対して設計コンサルタントは、事業運営全体を見渡すマネジメントと戦略立案です。この二者が密に連携することで、より効率的かつ高品質な園舎整備が実現します。


連携により得られるメリットを整理すると、次のようになります。


連携効果 内容
設計と予算の整合性 コンサルが早期に財源計画を策定し、設計事務所がその予算内で最適案を提示可能
補助金最適化 コンサルが補助要件を理解し、設計がそれに準じた構造・仕様で設計を進行
スケジュール調整 園の運営予定や行政手続きの締切に合わせた工程管理が可能に
情報の一元化 複数の関係者間での認識ズレや伝達ミスを防止
コンペ・プロポーザルの強化 提案段階から両者が協力し、設計と事業の総合提案が可能に


保育施設という社会的役割を持つ建築物においては、単に美しい建物をつくるだけでは不十分です。運営が成り立ち、持続可能な事業として回る仕組みづくりが不可欠となります。そのため、設計者とコンサルタントが対立するのではなく、パートナーとして手を取り合う体制を構築することが、事業成功への近道といえるでしょう。

設計コンサルタントの仕事内容と関わり方を解説!

園舎設計の流れと設計コンサルの関わり方(企画〜開園まで)

園舎の設計において、設計コンサルタントは単に図面を描く存在ではありません。プロジェクトの最初期段階から深く関与し、理想的な園舎を実現するためのトータルサポートを行います。具体的には、基本構想から始まり、事業計画の立案、設計者の選定支援、補助金申請支援、施工段階での監理、そして開園準備に至るまで、多岐にわたるフェーズで貢献します。


園舎設計では、限られた敷地面積の中で最大限の機能性と安全性を両立させることが求められます。設計コンサルタントは、建築士と連携しながら、施設整備基本方針を明確にし、整備計画の立案を主導します。また、経営的視点からコストシミュレーションを行い、建設費用の妥当性や投資回収計画も含めた総合的なマネジメントを担います。


特に保育施設では、国や自治体の補助金制度の活用が非常に重要であり、制度の最新情報を正確に把握しながら、申請スケジュールに合わせた工程管理が必要です。設計コンサルは、スケジュール調整や書類作成、必要な協議を代行・補助することで、運営者側の負担を大幅に軽減します。


園舎設計において設計コンサルが関与する主なフェーズと役割は以下の通りです。


設計段階 設計コンサルの関与内容
基本構想 建設目的・定員規模・保育方針に基づく整備方針の立案
基本設計・実施設計 設計者との連携、保育動線・安全性・衛生管理等の観点からの助言
補助金申請 補助制度の調査、スケジュール管理、必要書類作成の支援
工事入札・施工 施工会社選定支援、入札対応、工事進捗管理
開園準備 備品選定、職員配置シミュレーション、安全確認チェックリスト作成等


行政との折衝・認可取得・補助金申請のコンサル業務

保育園や幼稚園を新設または増改築する際、最大の障壁のひとつが「行政との折衝」と「認可取得」です。設計コンサルタントは、行政機関と円滑にやり取りしながら、必要な許認可の取得を全面的にサポートします。特に、市町村の福祉課・都市計画課・建築指導課など、複数部署との連携が必要であり、専門知識と交渉力が問われます。


設計者や運営者単独では対応が難しい行政対応を設計コンサルが支援することにより、余計な工期の遅延や費用の増加を防ぎます。また、法的条件に即した計画立案や、指導内容への迅速な対応を可能にします。


補助金制度についても、各自治体によって採択基準・申請時期・補助率などが異なり、制度活用の可否が事業の成否を左右します。設計コンサルタントは、最新の国・自治体の補助制度を把握した上で、採択の可能性を高める提案書や書類作成を代行。さらに、以下のような支援も行います。


支援項目 内容例
認可調整 施設基準の確認、認可要件への適合調整
関係機関との協議 保健所、消防署、道路管理者などとの折衝
補助金シミュレーション 補助率、対象費用、自己負担金、補助採択後の精算方法などの試算
提出書類作成支援 建築確認申請書、事業計画書、設計説明書、収支計画等の作成・添削


結果として、行政調整や補助金申請における手戻りやトラブルを未然に防ぎ、プロジェクトの成功率と採択率を向上させることが可能となります。設計コンサルが持つ実務経験と制度理解は、安心してプロジェクトを進めるための鍵となります。


保育導線や園児の動線設計における実務支援内容

園舎において最も重要視される設計ポイントの一つが「保育導線」です。これは教職員が行う業務の流れや、園児の安全な移動を設計に反映させるという考え方であり、園の運営効率と保育の質に直結します。設計コンサルタントは、この保育導線の最適化を図るために、現場視点に立った支援を実施します。


例えば、園児が登園してからクラスに入るまでの動線に無駄があると、混雑や事故のリスクが高まります。設計コンサルは、職員や保護者へのヒアリングをもとに、実際の行動パターンをマッピングし、最も効率的かつ安全なレイアウトを提案します。さらに、厨房から保育室、トイレ、園庭、医務室までの距離や視認性なども分析し、業務効率の最大化を図ります。


最近ではICT設備の導入やバリアフリー対応も重視されており、タブレットによる園児管理システムや非接触型セキュリティなど、最新の設備との整合性も考慮した設計が求められています。


以下は設計コンサルが支援する保育導線の最適化項目の一例です。


支援内容 詳細
動線マッピング 職員・園児・保護者それぞれの移動経路を可視化し設計反映
滞留・混雑ポイント分析 登降園時の渋滞箇所や園庭の安全導線を可視化
衛生管理導線設計 感染症対策として手洗い・トイレ・給食動線の分離
ICT連携設計 顔認証ゲート・出欠確認アプリ・防犯カメラなどの設置位置・配線対応
バリアフリー最適化 スロープ配置・扉幅・エレベーター位置など、高齢者職員や障がい児対応


このように、設計コンサルタントは、単なる図面のチェックではなく、現場の運営を理解したうえで、安全性・効率性・快適性を担保する空間設計の実現に深く関与しています。

園舎づくり支援!誰が何を解決すべきか?

保育園の開設を検討している法人・社会福祉法人向け支援

保育園の新設を目指す法人や社会福祉法人にとって、園舎づくりは建築だけでは完結しません。制度理解・行政折衝・事業戦略・建築設計・運営体制構築といった多面的な取り組みが必要であり、これらをトータルで支援する設計コンサルティングの重要性が増しています。


特に認可保育園の設置を目指す際には、市区町村ごとに異なる保育需要や認可基準を理解し、それに即した事業計画を作成する必要があります。また、保育士確保や開設後の運営体制についても、経営計画段階から想定しておかなければなりません。


以下に、新設時に求められる主な支援内容を一覧にまとめます。


支援項目 内容
認可取得の手続き支援 必要書類の作成支援、行政との事前協議、配置基準の整理など
事業計画の策定 保育定員・施設規模・人件費・運営費などを考慮した収支計画立案
法人格設立支援 社会福祉法人やNPO法人の立ち上げ支援、定款作成、役員構成アドバイス
補助金申請サポート 国庫補助金、都道府県助成制度の対象可否確認、スケジュール調整、申請書作成
設計事務所・施工者選定 プロポーザル実施、業務仕様書作成、過去実績の分析、入札支援など
開園準備・開設支援 保護者向け説明資料の作成、職員研修体制構築、入園案内の整備など


自治体・行政担当者が気を付けたい園舎設計の発注ポイント

自治体や行政機関が発注者となって園舎を新設・改築する場合、公共調達のルールと住民ニーズを踏まえた設計・施工が求められます。特にプロポーザル方式を採用する際は、設計条件の明確化や評価基準の公平性、スケジュールの妥当性など、発注側の準備が完成度に大きく影響します。


行政発注時の設計上のチェックポイント

項目 内容例
設計条件の整理 園児数・年齢構成・敷地条件・予算枠・機能要件などを具体的に記載
評価基準の明示 デザイン性・機能性・実績・価格・施工性の各観点の比重を事前提示
住民説明体制の整備 説明会のタイミング、内容資料の作成支援、質疑応答対応方針の共有
工期・発注スケジュール 補助金の交付時期、議会承認スケジュール、保育運営への影響を加味した実現可能な工程設定
設計・施工体制の検討 設計・監理と施工を分離発注するのか、設計施工一括方式(デザインビルド)を採用するのかの方針確定


とくにプロポーザル制度を活用する場合、応募者が同じ条件で評価されるよう、業務仕様書や審査基準の明確化が不可欠です。これが曖昧だと、後の審査過程で不服が出たり、審査委員間で認識にズレが生じるリスクがあります。


さらに、設計案に対して議会・地域住民からの理解と合意形成を得るフェーズも行政にとって重要です。例えば、建物の高さや色彩、敷地境界との距離などが地域住民に与える心理的インパクトは大きく、説明責任を果たすには設計者・コンサルタントとの緊密な連携が求められます。

まとめ

園舎の設計や建て替え、開設準備には、想像以上に多くの課題と意思決定が伴います。認可申請の流れや法人設立支援、耐震診断や建設コストの比較、保護者対応、地域住民への説明まで、発注者の立場によって求められる準備や視点は大きく異なります。


特にプロポーザル方式で設計事務所を選定する際は、条件設定や評価基準の明確化が成功の鍵を握ります。実際に東京都内では、発注条件の不備が原因でプロポーザルが不成立となる事例も年間(十数件)発生しており、設計・施工の実務経験が豊富な設計コンサルタントの支援が不可欠となっているのが現状です。


また、東京や千葉などの都市部と地方では、敷地条件や法規制、登園動線など設計上のリスクが根本的に異なります。地域性に応じた設計戦略をとらなければ、後々の修正や住民対応に多くの労力を要することになります。放置すれば(数百万円規模)の追加コストや事業遅延につながる可能性も否めません。


そのため、経験豊富な設計事務所やコンサルタントとの早期連携こそが、理想の園舎づくりと事業成功を確実にする近道です。単なる建物設計にとどまらず、経営視点・発注体制・地域調整まで包括的に支援できる体制が今、強く求められています。記事で紹介した支援内容や課題整理をふまえ、まずは自らの立場で「何を解決すべきか」を明確にして一歩を踏み出してみてください。

機能美と創造性を両立した建築設計を提供します|龍美一級建築士事務所

龍美一級建築士事務所は、園舎や保育施設、集合住宅などの建築設計を手がける設計事務所です。お客様のご要望に応じた機能的で美しい建築デザインを提供することに努めています。特に保育環境に配慮した設計が得意で、安心・安全かつ創造性を育む空間作りを目指しています。豊富な経験と実績をもとに、質の高いサービスを提供し、信頼に応える建築物を実現します。

龍美一級建築士事務所
龍美一級建築士事務所
住所 〒263-0054千葉県千葉市稲毛区宮野木町1812-9
電話 043-239-7238

お問い合わせ

よくある質問

Q. 設計事務所と設計コンサルを併用するメリットは具体的に何ですか?
A. 設計事務所は建築士による構造設計や空間デザインに特化し、建築確認申請や施工監理など建築実務を担います。一方、設計コンサルは認可取得やプロポーザル対応、経営視点のマネジメントを支援するため、両者が連携することで計画段階から竣工・開園準備まで無駄のないスケジュール進行とコスト管理が可能になります。結果として、予算内での完成率や行政調整の成功率が(約30%)以上向上した事例も報告されています。


Q. 園舎の設計でよくある失敗とその対策にはどのようなものがありますか?
A. よくある失敗には「敷地制約による機能不全」「動線の非効率」「近隣住民とのトラブル」があります。特に東京・千葉の都市部では、建ぺい率や日影規制などによる設計自由度の制限に加え、騒音や送迎の配慮不足で住民説明が不十分になることも。その対策として、設計コンサルによる地域特性分析や住民説明支援が有効で、建築士単独では対応しきれない複雑な調整に強みを発揮します。近年では設計段階からのコンサル参画で、トラブル率が(半減)したケースもあります。

会社概要

会社名・・・龍美一級建築士事務所

所在地・・・〒263-0054 千葉県千葉市稲毛区宮野木町1812-9

電話番号・・・043-239-7238

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