和風な園舎を建てるには!設計事務所や園舎について

query_builder 2025/04/18
コラム
著者:龍美一級建築士事務所
18設計事務所 和風

保育園や幼稚園の園舎づくりを考えたとき、どこに依頼すれば理想の空間を実現できるのかと悩む方は少なくありません。特に和風の空間にこだわりたい場合、デザイン性と実用性、そして法的基準までをすべて満たす設計事務所を選ぶのは、簡単なことではありません。


子どもたちが安心して過ごせる空間にしたい、自然素材を使った温かみのある建物にしたいそう考えても、いざ依頼となると、費用感や工程、信頼できる建築家との出会いに不安を感じる方が多いのが現実です。さらに、自治体によって設計要件が異なるため、地域対応に強い事務所でなければ、設計段階でつまずいてしまうリスクもあります。


本記事では、和風の美しさと機能性を兼ね備えた教育施設の空間づくりに強い設計事務所の選び方を、建築家の実績や設計思想、施工・監理体制まで含めて詳しく解説します。

機能美と創造性を両立した建築設計を提供します|龍美一級建築士事務所

龍美一級建築士事務所は、園舎や保育施設、集合住宅などの建築設計を手がける設計事務所です。お客様のご要望に応じた機能的で美しい建築デザインを提供することに努めています。特に保育環境に配慮した設計が得意で、安心・安全かつ創造性を育む空間作りを目指しています。豊富な経験と実績をもとに、質の高いサービスを提供し、信頼に応える建築物を実現します。

龍美一級建築士事務所
龍美一級建築士事務所
住所 〒263-0054千葉県千葉市稲毛区宮野木町1812-9
電話 043-239-7238

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和風の設計事務所とは

和風建築は、古来より日本の気候風土と深く結びつきながら発展してきた建築様式であり、その核心には自然との調和、四季の移ろいを感じる空間構成、素材の持つ力を活かした設計思想があります。こうした建築思想は、現代の保育園や幼稚園といった子どもたちの育ちの場にも、大きな影響と可能性を与えています。


たとえば和風建築において重視される間(ま)の概念は、単なる空間的な余白ではなく、人と人の距離や気配を尊重する心理的なゆとりを意味します。保育の現場では、こうした間が子ども同士の自然な交流や、保育士との信頼関係構築に役立つ場面が多く見られます。壁で完全に区切られた教室ではなく、障子や格子などの透け感や可動性を活かした設計は、子どもたちに安心感と自由さを与えます。


日本の伝統建築では、光と影、水と木、風と空間といった自然との共鳴を意識して設計が行われます。たとえば南向きの大開口から入る柔らかな陽光は、季節や時間帯によってその表情を変え、子どもたちの感性を豊かに刺激します。樹齢のある木材や漆喰壁など自然素材に囲まれた空間は、視覚的な安心感だけでなく、五感すべてを通して育ちを支える環境要素となります。


さらに重要なのは、安全性と機能性を両立した設計が求められる現代においても、和風建築の思想は柔軟に応用可能であるという点です。たとえば真壁構造のような木組みを活かしつつ、耐震補強に対応した構造体を取り入れる設計事例も増えています。また、幼児が触れる床や家具などには無垢材を使用し、アレルゲンや化学物質を極力排除した素材選定が求められる中、伝統建築における自然素材中心の思想は極めて親和性が高いのです。


現場の保育士や園長からは、和の空間は子どもたちを穏やかにする保護者からも安心感を持たれるという声が多数寄せられており、実際に運営面でも高評価を得ている園舎が増加傾向にあります。これは単にデザイン的な美しさではなく、空間そのものが育ちの質に与える影響を意識した設計が評価されているからです。


以下は、和風建築を教育施設に導入する際の主なメリットと活用例をまとめた表です。


園舎設計要素と和風建築の活用例

設計要素 和風建築の応用 教育効果・実用性
光の取り入れ方 南向きの開口部、障子越しの採光 柔らかい自然光で情緒安定・昼夜リズム形成に寄与
空間の仕切り方 可動間仕切り、襖、格子 状況に応じて空間を変更でき、保育活動が多様に展開
素材 無垢材、和紙、竹、畳 アレルゲン低減、温かみのある触覚体験を提供
音と風の取り込み 開口部からの通風設計、雨音を感じる庇構造 自然の音を通じた感覚発達、季節の変化を五感で学ぶ
視線の抜けと間の取り方 格子や低い壁で視線が通る構造 園児の安心感と見守りやすさの両立が可能

和風な園舎が選ばれる理由について

和モダン保育施設は、和風建築が持つ伝統的な空間美と、現代の生活スタイルに合致した機能性を融合させた新しい園舎デザインとして注目されています。無垢材や漆喰、和紙、竹といった自然素材を積極的に活用することで、子どもたちの五感を育みながら、安全性や快適性にも優れた空間を実現します。保育施設の設計においては、単に建物としての完成度だけではなく、教育理念との一致、子どもたちの心理的安定、保護者の安心感といった多角的な視点が求められます。和モダン園舎は、そのすべてにおいて非常に高い評価を得ていることが特徴です。


自然素材の持つあたたかみは、園児の情緒を安定させる要素として効果的に働きます。無垢材の床は柔らかく温もりがあり、素足で歩いても冷たさを感じません。また、漆喰や和紙の壁は調湿機能を備えており、年間を通じて快適な空間環境を保ちます。さらに、視覚的にも落ち着いた色彩や質感が、子どもたちの心理に穏やかな影響を与えると保育士や保護者のあいだで好評です。


和モダン設計の大きな特徴は、光と陰のバランスを活かした空間演出にあります。大きな窓から取り込む自然光は、障子越しに柔らかく拡散され、直射日光ではない優しい明るさが空間全体に広がります。このような光環境は、園児の目に負担をかけず、自然と穏やかな活動を促す効果があります。また、影の存在が空間に深みを与え、子どもたちの空間認識や探究心を育てる環境としても機能します。


空間の連なりも和モダン園舎の重要な設計要素です。廊下や保育室、遊戯スペースを単なる区画ではなく、視線が抜ける連続的な空間として設計することで、子どもたちは自由に動き回りながらも、常に保育士や友達の気配を感じることができます。これは、和建築における間(ま)や視線の通りを活かした設計思想が反映された結果であり、見守られているという安心感と、自由に動ける開放感の両立を可能にしています。

さらに、和モダン園舎は保護者からも高く評価されています。園を訪れた際に感じる木の香りや、温かみのある雰囲気は、子どもを預けるうえでの安心材料となります。また、園児の健康を考えた自然素材の使用や、視覚的にも落ち着く空間づくりは、教育方針や園の理念が空間設計に反映されている証と受け止められています。こうした設計は、園のブランディングにもつながり、地域内での信頼性や差別化に寄与しています。


以下は、和モダン園舎の主要な特徴と、それによる教育的・心理的効果をまとめた表です。


和モダン園舎の特徴と効果

特徴 内容例 教育的・心理的効果
自然素材の活用 無垢材、漆喰、和紙、竹など アレルギー軽減、安心感、触覚や嗅覚の発達
光と陰のバランス 障子越しの自然光、天井の照度分散設計 目に優しい光環境、情緒安定、落ち着いた行動
空間の連なりと視線の抜け 間仕切りの少ない設計、可動式建具 見守られている安心感、自由な活動、集中力向上
和の意匠との調和 格子、欄間、縁側、木製建具 美意識の育成、静寂性の確保
保育理念との設計統合 モンテッソーリ教育や自然保育の考えを反映した空間設計 教育方針との整合性、運営効率の向上

信頼できる保育園や幼稚園向け設計事務所を選ぶには

保育園や幼稚園の建築には、一般住宅や商業施設とは異なる特殊な要件が多数存在します。子どもたちの安全性や動線、保育士の作業効率、保護者の視点、さらには行政の許認可制度までを見越した設計力が必要とされます。そのため、信頼できる園舎設計を行うには、専門的な知見と実績を持つ建築家や設計事務所を選定することが重要です。


園舎設計の経験が豊富な建築家にはいくつかの共通した特徴があります。まず第一に挙げられるのは、教育施設特有の構造基準や法規に精通していることです。耐震性や避難経路、採光・通風などはもちろん、乳幼児や未就学児にとっての快適な環境とは何かを理解している必要があります。とくに国の基準だけでなく、自治体独自の指導要項に対応できる柔軟性と、行政との調整経験を多く持つかどうかが選定の大きな指標になります。


次に重要なのが、施工実績の豊富さです。ただし単に件数が多いということではなく、どのようなタイプの園舎をどの地域で、どのような教育理念に基づいて設計してきたかという中身が問われます。たとえば、自然保育に力を入れる園では園庭と建物の一体設計が求められたり、都市部の狭小地では園児動線と避難導線の両立が重視されます。設計実績は、園舎の規模や園児数、教育方針別に分類して比較することがポイントです。


さらに、信頼できる園舎設計の専門建築家は、単なる設計作業にとどまらず、保育現場とともにどうすれば子どもたちが過ごしやすい空間になるかを共に考えるスタンスを持っています。つまり、図面の向こう側にいる園児・保育士・保護者の存在を常に意識して設計することができるという点が、経験豊富な建築家の最大の強みです。この観点からは、過去に教育機関と協働した経験があるか、ヒアリングを丁寧に行う文化があるかどうかも確認ポイントとなります。


以下は、園舎設計に強い設計事務所を選ぶ際に着目すべき要素を比較した表です。依頼前のチェックリストとしても活用できます。


園舎設計専門建築家の選定要素比較表

選定項目 理想的な条件 チェックポイントの例
法規制・行政対応力 国・自治体基準への高い適応力 許可申請サポートの有無、補助金活用の実績
設計実績の豊富さ 教育施設・園舎の事例が複数あり、多様な規模に対応可能 幼保連携型・私立・公立など複数形態の事例があるか
地域特性への理解 地域の気候や敷地条件を反映した設計ができる 積雪対策、狭小地対策、風通し・湿気対策への対応力
保育現場との連携力 園の理念や運営方針を反映した空間づくりができる 園長・保育士との打合せ実績、意見反映の柔軟性
工事業者との連携力 施工業者と連携し品質・コスト・工期を調整できる 地場工務店との協業経験、施工監理まで関与しているか
デザインと機能性の両立 美観と使いやすさを兼ね備えた空間を設計できる 保育導線や避難動線、視認性の高い設計への理解があるか

園舎づくりの流れ

保育園や幼稚園の園舎づくりにおいて、設計事務所へ正式に依頼する前の準備段階は、最終的な建築の完成度と運営のスムーズさに大きな影響を及ぼします。建物は完成して終わりではなく、そこで過ごす子どもたちの育ちの空間であり、職員が働く環境でもあります。そのため、事前に整理すべきビジョンや必要条件を明確にしておくことは、園の理想を形にする第一歩といえます。


まず整理すべきは園の理念と教育方針です。設計事務所との打ち合わせにおいて、この軸がぶれていると、空間のデザインや動線計画にズレが生じ、後に修正が必要となる可能性があります。たとえば、自然とのふれあいを重視する園であれば、園庭や外部とのつながりを意識した設計が不可欠になります。一方で、モンテッソーリ教育を導入する園であれば、個別活動スペースや集中できる環境設計が求められます。建築家が園の思想に深く共感し、空間で体現するためにも、教育方針の明文化は非常に重要です。


次に、設計前に明確にしておきたいのが定員とクラス編成です。何人の園児を受け入れる予定なのか、年齢別のクラス構成はどうなっているのかにより、保育室の面積配分や配置、トイレ・玄関・廊下の設計にも違いが出ます。将来的な定員増加を見越して可変性を持たせるかどうかも、設計段階での大切な判断となります。定員や運営形態は、建築基準法や児童福祉法との兼ね合いにも関わるため、初期段階から具体的にしておく必要があります。


また、職員の働き方や動線も重要な設計条件です。保育士の視線が届きやすい配置、効率的に動ける作業導線、書類作成や打ち合わせができる職員スペースなど、現場での使いやすさを高める設計は、日々の保育運営の質に直結します。設計事務所には、実際の現場を想定した詳細な運用イメージを伝えられるようにしておくことが求められます。


以下に、設計依頼前に整理すべき主要事項を表にまとめました。


設計相談前に必要な準備事項一覧

準備項目 内容の詳細例 目的・影響範囲
園の理念・教育方針 自然保育/モンテッソーリ/知育重視/地域との連携など 空間構成、素材選定、環境設計の方向性を決める
定員・クラス編成 総定員・年齢別内訳・将来の増加計画 部屋数、広さ、配置、構造への影響
運営形態・開園時間 私立/公立、延長保育/土曜開園の有無 人の流れや施設の配置計画に反映される
職員の働き方・導線 保育・事務・調理・休憩スペースの役割と必要性 動線効率、安全管理、ストレス軽減
予算とスケジュール 上限予算/融資予定/補助金の活用有無/希望工期 設計の現実性を確保し、調整しやすくなる


保育施設は一般住宅と異なり、誰のためにどう過ごすための空間かを明確にする必要がある施設です。そのため、設計依頼前の準備段階において、事業者側の意図や希望を正確に言語化し、共有可能な状態にしておくことが、理想の園舎を実現するうえで極めて重要です。

まとめ

保育園や幼稚園の園舎設計を検討している多くの方が、「誰に依頼すれば理想の空間が実現できるのか」と迷います。特に、和風建築を取り入れたいと考える場合には、設計の自由度や法規制、地域特性、教育方針との整合性など、複雑な条件を満たす必要があります。そのため、単にデザインが優れているという理由だけで選ぶのではなく、保育施設に対する深い理解と実績を持った設計事務所を選定することが非常に重要です。


和風設計に強い建築家は、無垢材や漆喰といった自然素材を適切に扱いながらも、現代の安全基準や耐震構造、バリアフリー対応などにも柔軟に対応できる設計力を備えています。また、保育士や保護者の声を丁寧に汲み取り、保育導線や職員動線、子どもの視点に立った空間配置など、使いやすさと美しさの両立を意識した提案ができる点も信頼性の高さを示すポイントです。


園舎は子どもたちが長時間過ごす大切な場所であり、その空間の質が教育や保育の成果にも直結します。設計前に理念や定員、予算、地域条件を整理し、ビジョンを明確にすることで、設計事務所からも的確な提案を受けやすくなります。また、建築設計のプロと信頼関係を築くことで、計画から施工、アフターフォローまでをスムーズに進行でき、園全体の満足度を高めることができます。


理想の和風園舎を実現する第一歩は、信頼できる設計パートナーを見つけることから始まります。損をしないためにも、時間をかけてしっかりと比較検討し、自園に最適な事務所を選びましょう。建築は「未来への投資」です。その空間が、子どもたちの健やかな成長と、地域の信頼を支える大切な基盤となるはずです。

機能美と創造性を両立した建築設計を提供します|龍美一級建築士事務所

龍美一級建築士事務所は、園舎や保育施設、集合住宅などの建築設計を手がける設計事務所です。お客様のご要望に応じた機能的で美しい建築デザインを提供することに努めています。特に保育環境に配慮した設計が得意で、安心・安全かつ創造性を育む空間作りを目指しています。豊富な経験と実績をもとに、質の高いサービスを提供し、信頼に応える建築物を実現します。

龍美一級建築士事務所
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よくある質問

Q.和モダンデザインの園舎にすると、子どもたちの生活や活動にどんなメリットがありますか?
A.和モダン園舎は、間仕切りの少ない開放的な空間構成や、光と陰を調整できる採光設計が特徴で、園児が自然と落ち着いて過ごせる環境をつくり出します。無垢材の床や土間、障子などを通じて、五感を刺激しながら安心感のある空間で過ごせることから、情緒の安定や集中力の向上に良い影響を与えるという保育士や保護者からの評価も高く、子どもたちが自分らしく活動できる環境として注目されています。


Q.設計事務所に依頼する際、どういった基準で建築家を選べば良いですか?
A.建築設計事務所を選ぶ際は、保育施設の設計実績が豊富で、かつ地域の建築基準や行政のガイドラインに対応できる知識と経験を持つことが重要です。また、園の理念や教育方針を正確に汲み取り、空間デザインに反映できる提案力も求められます。設計だけでなく監理業務や施工者との連携まで一貫して対応できる建築家を選ぶことで、計画から完成後の運用までの安心感が高まります。


Q.設計相談前に準備しておくべきことはありますか?
A.設計事務所への依頼を検討する前に、園の理念や運営方針、定員やクラス編成、開園予定時期、予算などを整理しておくことが重要です。これにより、建築家が現実的な提案を行いやすくなり、時間やコストのロスを防ぐことができます。また、地域の助成制度や行政の認可基準も早い段階で把握しておくと、スムーズに設計が進行できるため、事前準備の質が園舎づくりの成功を左右するといえます。

会社概要

会社名・・・龍美一級建築士事務所

所在地・・・〒263-0054 千葉県千葉市稲毛区宮野木町1812-9

電話番号・・・043-239-7238

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