設計事務所の業務フロー完全ガイド!建築設計事務所選びで失敗しない流れとは

query_builder 2025/04/12
コラム
著者:龍美一級建築士事務所
12設計事務所 業務フロー

「依頼したらすぐに設計が始まると思っていたのに、打合せや設計図作成に想定以上の期間がかかった」「見積りを取ったら、工事費以外に別途費用が大量に発生した」そんな経験談は少なくありません。特に建築設計事務所を初めて利用する方にとって、業務フローの流れやSTEPごとの必要作業、費用感を把握していないことが大きな落とし穴となります。

 

国土交通省の調査によれば、住宅建築において設計から竣工までにかかる平均期間は8か月です。基本設計、実施計画、工事監理など、各段階で必要な打合せや確認申請、設計図提出が求められ、スムーズな進行のためには施主と設計事務所の連携が不可欠です。また、建物の規模や仕様によって構造設計や設備計画にかかる期間も大きく変動し、土地調査の結果によっては追加の設計変更が発生する場合もあります。

 

この記事では、設計事務所の標準的な業務フローを徹底解説し、建築主が失敗しないための要点を具体的に紹介します。最後まで読むと、「どのタイミングで何を準備すべきか」「見積りで確認すべき項目」「設計から施工、引き渡しまでで注意すべきポイント」がすべて明確になります。理想の建物完成に向けた最初の一歩を、確実に踏み出しましょう。

機能美と創造性を両立した建築設計を提供します|龍美一級建築士事務所

龍美一級建築士事務所は、園舎や保育施設、集合住宅などの建築設計を手がける設計事務所です。お客様のご要望に応じた機能的で美しい建築デザインを提供することに努めています。特に保育環境に配慮した設計が得意で、安心・安全かつ創造性を育む空間作りを目指しています。豊富な経験と実績をもとに、質の高いサービスを提供し、信頼に応える建築物を実現します。

龍美一級建築士事務所
龍美一級建築士事務所
住所 〒263-0054千葉県千葉市稲毛区宮野木町1812-9
電話 043-239-7238

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設計事務所の業務フローとは?全体像を徹底解説

設計事務所の主な役割は、施主の要望を反映した建物を計画・設計し、設計図面の作成から工事監理まで一貫して支援することです。建物の設計には専門的な知識と経験が必要であり、建築士が中心となってプロジェクトを推進します。ここでは、設計事務所が担う具体的な業務内容について詳しく解説します。

 

設計事務所の基本的な業務の流れは、以下のように整理できます。

 

業務工程 内容
ヒアリング 施主の要望や予算、用途、規模などを詳しく聞き取り、条件整理
敷地調査 土地の法規制や地盤状況、周辺環境の調査
基本計画 敷地条件に基づく配置計画、ゾーニング、概略プラン作成
基本設計 建物の基本的な形状や構造、設備の概略設計
実施設計 詳細な設計図書(設計図・仕様書・構造計算書など)作成
建築確認申請 行政への建築確認申請手続き
見積依頼・業者選定 工事業者への見積依頼・施工業者選定サポート
工事監理 施工図面のチェック、現場での設計意図の伝達、品質管理
完了検査・引き渡し 完成検査、施主への引き渡し、アフターフォロー

 

設計事務所の最大の特徴は、設計だけにとどまらず、工事が適正に行われるかを監理する役割を持つことです。施工段階においても設計者が積極的に関わることで、設計図通りに建物が完成するよう品質と進捗を管理します。これは「工事監理」と呼ばれ、建築基準法でも重要な義務と位置づけられています。

 

特に建築確認申請の手続きは、建物の安全性や法令適合性を審査するための重要なプロセスです。設計図書を作成するだけでなく、行政機関と協議を行い、適合通知を取得するための細かな調整作業も必要になります。

 

設計事務所の業務は、単なる図面作成にとどまらず、以下のような広範な対応が求められます。

 

  • 敷地選定時の法規制チェックやアドバイス
  • 予算内で最大限要望を満たすためのプラン提案
  • 実施設計におけるコストコントロール
  • 工事現場での施工品質チェック
  • 工事遅延や施工ミスのリスク管理
  • 完了検査に向けた是正指示と調整
  • 引き渡し後の不具合対応やメンテナンス提案

 

設計事務所は、施主に代わって建物づくりのすべてを支えるパートナーです。そのため、依頼する際には単なる図面作成者としてではなく、プロジェクトマネージャーの役割も果たす存在として認識することが重要です。

 

設計事務所によって得意分野や対応規模が異なります。個人設計事務所、総合設計事務所、組織設計事務所などそれぞれ特徴があるため、依頼する際は建物の用途や規模、求めるサービス内容に応じて選定することが成功への第一歩となります。

 

設計事務所の種類と特徴

 

種類 特徴
個人設計事務所 小規模~中規模案件向き、柔軟な対応
総合設計事務所 大規模案件対応、ワンストップサービス
組織設計事務所 公共施設・大規模プロジェクトに強み

 

建物の完成までを一貫して支える設計事務所の存在は、施主にとって非常に大きな安心材料となります。

 

設計事務所の業務フローが重要な理由とは

 

建築プロジェクトにおいて設計事務所の業務フローを理解することは、施主にとって極めて重要です。業務フローが整理されていない場合、工程に遅延が生じたり、設計ミスや施工ミスが発生したりするリスクが高まるためです。ここでは、設計事務所の業務フローを把握することのメリットと、理解不足によるデメリットについて詳しく解説します。

 

業務フローを理解するメリット

 

  • プロジェクト全体のスケジュール感を把握できる
  • 必要な準備や手続きを事前に進められる
  • 設計変更やコスト調整を適切なタイミングで行える
  • 工事の進捗や品質管理がスムーズに行える
  • 施主と設計事務所間のトラブルを未然に防止できる

 

一方、業務フローを理解しないまま進めると、以下のような問題が発生するリスクがあります。

 

業務フローを理解しない場合のリスク

 

  • スケジュール遅延による追加費用発生
  • 設計変更時のトラブルや費用負担増加
  • 工事監理が不十分になり、施工ミスの見逃し
  • 引き渡し後に不具合が多発
  • 施主の要望が適切に反映されない建物の完成

 

特に設計段階での要望整理や予算調整は、建物の完成度に大きな影響を与えます。設計事務所は施主と綿密にコミュニケーションを取りながら、基本計画・基本設計・実施設計というステップを踏んでプランをブラッシュアップしていきます。

 

設計業務の主な流れとステップ

 

ステップ 内容 ポイント
基本計画 要望整理、敷地調査、基本プラン作成 設計コンセプトと配置計画の検討
基本設計 平面図、立面図、断面図の作成 設備計画や構造計画の検討開始
実施設計 詳細設計図面・仕様書の作成 コストコントロールと確認申請
工事監理 工事進捗・品質のチェック 施工ミス防止と施主への報告
完了検査・引き渡し 検査・是正指示・引き渡し アフターサービス体制の確認

 

設計事務所が提示する業務フローに基づき、各ステップで施主が果たすべき役割を把握しておくことも重要です。例えば、設計段階での素早い意思決定や、施工業者選定時の協力が、全体スケジュールに大きな影響を与えます。

 

さらに、設計事務所の選定段階で業務フローを明示してもらうことで、事前に信頼性を確認することも可能です。信頼できる設計事務所であれば、業務フローをわかりやすく説明し、施主の不安を解消する努力を惜しみません。

 

建築プロジェクトは、数か月から1年以上にわたる長期的な取り組みとなるため、信頼できるパートナーとスムーズな業務フローを共有することが、成功への鍵となります。設計事務所選びの際は、業務フローの明確さや、各ステップでの施主対応の丁寧さにも着目することを強くおすすめします。

設計事務所に依頼する前の準備

建築プロジェクトを成功させるためには、設計事務所に依頼する前に敷地の調査と条件確認が不可欠です。土地の選定段階で必要な調査を怠ると、後に設計変更や追加費用が発生する原因となります。ここでは敷地調査の重要性と、具体的にどのような項目を確認すべきかを解説します。

 

敷地調査で確認すべき主なポイント

 

1 敷地の法規制確認
2 土地の地盤状況・高低差確認
3 日照・風通しなど周辺環境の確認
4 インフラ整備状況(上下水道・電気・ガス)
5 接道状況と道路幅員の確認

 

これらの情報を正確に把握することで、後々設計に制約が生じるリスクを回避できます。例えば、用途地域によって建てられる建物の種類や規模が制限されるため、用途地域や建ぺい率・容積率の調査は必須です。また、接道義務を満たしていない土地では建築許可が下りないため、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接しているかの確認も重要です。

 

土地の条件を正しく把握するための調査内容

 

調査項目 内容 調査方法
用途地域 建物の用途・規模制限 市区町村の都市計画課で確認
建ぺい率・容積率 建物の敷地利用割合 市区町村の都市計画図で確認
接道状況 接道義務の確認 現地調査+法務局の地図確認
地盤 地盤強度・液状化リスク 地盤調査業者によるボーリング調査
高低差 土地の起伏状況 現地測量
インフラ 上下水道・電気・ガスの有無 各インフラ業者に問い合わせ

 

施主がこれらを自己判断で調査するのは難しいため、設計事務所が調査を代行してくれる場合も多いです。依頼前に設計事務所に「どの範囲まで事前調査をサポートしてくれるか」を確認することで、スムーズにプロジェクトを進められます。

 

希望条件のまとめ方とイメージづくり ヒアリング成功のコツ

 

設計事務所との最初の打ち合わせであるヒアリングは、建物の完成度を左右する重要なステップです。施主側で希望条件を整理できていないと、設計意図がぶれたり、後々の設計変更によるコストアップに繋がるため、事前準備が不可欠です。ここでは、ヒアリングを成功させるためのコツを解説します。

 

希望条件リストに記載すべき項目

 

1 家族構成・将来のライフプラン
2 建物の用途(住宅、店舗、事務所など)
3 必要な部屋数・広さ
4 好みのデザイン・雰囲気
5 予算上限と希望設備グレード
6 将来の増改築やメンテナンスへの配慮

 

このようなポイントを事前にリスト化しておくと、ヒアリングの際に抜け漏れなく要望を伝えられます。特に「今後家族が増える予定がある」「高齢になった際のバリアフリーを意識したい」など、将来を見据えた希望も伝えておくことが大切です。

設計事務所の業務フロー STEP別完全解説

建築プロジェクトを成功に導くためには、最初の段階である基本計画と基本設計が極めて重要です。このフェーズでは、施主の要望を具体的な形に落とし込む作業が中心となり、設計事務所と施主が二人三脚で進める密なコミュニケーションが求められます。

 

基本計画の主な工程は、敷地調査と施主要望のヒアリングです。敷地条件の確認では、建ぺい率、容積率、用途地域、高さ制限などの法的規制を調査し、建築可能な建物の条件を整理します。また、日照条件、隣接地との関係、インフラ設備の状況など、実際の設計に影響する要素も同時にチェックします。

 

ヒアリングにおいては、以下の項目が特に重視されます。

 

  • 建物の用途と規模
  • 希望する間取りや部屋数
  • デザインイメージ(モダン、和風、ナチュラルなど)
  • 予算範囲と優先順位
  • スケジュール希望
  • 将来の拡張やリフォーム予定の有無

 

施主の希望は時に漠然としている場合も多いため、設計事務所側が質問を掘り下げながら要件を明確化していくプロセスが欠かせません。

 

次に行われるのが基本設計です。基本設計では、施主要望をもとにゾーニング(空間構成)を行い、各室の配置や動線、建物全体のボリューム感を図面化します。この段階ではまだ細かい仕様は決定しませんが、以下の内容が具体化されます。

 

  • 配置図(敷地内での建物位置)
  • 各階平面図(部屋のレイアウト)
  • 立面図(外観イメージ)
  • 断面図(建物の内部構成)
  • 主要な仕様(構造種別、断熱、設備計画の概要)

 

基本計画と基本設計のポイントを以下にまとめます。

 

工程 内容 重要ポイント
敷地調査 法規制、地盤、日照条件確認 法的制限を把握しプランの自由度を見極める
要望ヒアリング 用途、規模、デザイン、予算 優先順位を明確化し、要望の取捨選択
基本設計 配置図、平面図、立面図作成 大まかな建物イメージを共有し合意形成

 

「希望通りのプランができるか」「設計変更はできるか」「土地の法規制が厳しい場合どうなるか」「設計事務所と意見が合わない場合どうするか」「予算オーバーにならないか」といった不安が考えられます。初期段階でしっかりと調査とコミュニケーションを重ねることが大切です。

 

基本設計で大枠が決まったら、次は実施設計へと進みます。実施設計は、施工会社が実際に建物を建てられるレベルの詳細な設計図書を作成するプロセスであり、建築プロジェクトの成否を左右する極めて重要なステップです。

 

主な作業内容は以下の通りです。

 

  • 各部材・仕上げ材の具体的仕様決定
  • 建築設備(空調・給排水・電気設備等)の設計
  • 耐震構造の詳細設計
  • 法規制に適合した設計チェック
  • 工事費の概算見積もり作成サポート

 

実施設計が完了すると、建築確認申請の準備に入ります。建築確認申請とは、計画中の建築物が建築基準法や関連法規に適合しているかを行政または指定確認検査機関に審査してもらう手続きです。申請には、設計図書、構造計算書、エネルギー計算書などが必要です。

 

建築確認申請の流れ

 

手順 内容 ポイント
設計図書作成 実施図、構造図、設備図 詳細な図面が正確に作成されているか
申請書提出 指定検査機関または行政へ提出 必要書類を漏れなく準備
審査・指摘対応 指摘事項の修正・再提出 迅速かつ正確な対応が求められる
確認済証交付 許可が下りると証明書発行 これで工事着工が可能に

 

「設計変更はどこまで可能か」「確認申請の期間はどれくらいか」「審査で不許可になるケースとは」「追加コストが発生するリスク」「複雑な設備設計はどうカバーするか」などがあるのではないでしょうか。

 

実施設計段階での妥協は後々のトラブルを招きやすいため、設計事務所との十分な打ち合わせと、見積もりとの照合によるコストコントロールが重要です。

まとめ

設計事務所に依頼する際、業務フローを理解しておくことは成功の第一歩です。

 

設計には、基本設計から実施設計、確認申請、工事監理、竣工検査まで複数の段階があり、それぞれで建築主との打合せや設計図の作成、見積り、工事費用の調整が必要です。特に建物の規模や敷地条件、設備仕様によって必要な作業や期間は大きく異なり、計画の初期段階から全体像を把握しておくことが重要です。

 

打合せや設計変更をスムーズに進めるためにも、設計事務所との役割分担や業務委託契約内容を事前に確認し、予算やスケジュールをしっかりと管理する意識が求められます。

 

設計事務所選びでは、事務所の得意分野や過去実績、建築士の資格、施工会社との連携体制などもチェックポイントになります。信頼できる設計パートナーを選ぶことで、不要な追加費用や工事トラブルを回避し、安心して建築プロジェクトを進めることができます。

 

設計業務は複雑な流れをたどりますが、ポイントを押さえて進めれば、理想の建物を実現するための強力なサポートとなります。この記事で紹介した業務フローや注意点を参考に、後悔のない建築計画を進めていきましょう。事前の理解と準備が、完成後の満足度を大きく左右するのです。

機能美と創造性を両立した建築設計を提供します|龍美一級建築士事務所

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よくある質問

Q.設計業務にかかる期間はどれくらいを想定すればいいですか
A.設計業務全体にはおおよそ6か月から8か月程度かかるのが標準です。基本設計には2か月、実施設計にはさらに3か月を要し、その後建築確認申請に約1か月が必要となります。確認申請が完了してから着工に移る流れとなり、工事監理を含めた全体のプロジェクト期間は1年から1年半程度になることも珍しくありません。設計事務所では業務フローに沿って計画を進めるため、STEPごとにスケジュールを明確に提示してもらうと安心です。

 

Q.設計事務所と工務店の違いを教えてください
A.設計事務所は建築設計や監理を専門とする機関であり、工務店は施工を主な業務とする会社です。設計事務所では要望を丁寧にヒアリングし、建物のプラン作成、設計図書の作成、工事監理までを担います。一方、工務店は設計図に基づいて実際に建物を施工する役割を持っています。設計事務所を選ぶと建築設計業務フローに基づき、計画段階から竣工まで一貫したサポートが受けられるのが特徴です。工務店はデザインよりも施工重視のケースが多いため、理想のデザインを実現したい場合は設計事務所に依頼する方が適しています。

 

Q.設計事務所選びで後悔しないためにはどこを見ればいいですか
A.設計事務所選びで後悔しないためには、過去の建築実績、建築士の資格保持状況、設計図の提出頻度、工事監理の対応力、予算調整の柔軟性などを確認することが大切です。特に住宅や商業施設など建築物の規模や用途に応じた専門性を持つ事務所を選ぶと、完成後の満足度が大きく向上します。さらに、見積もり内容が明確で、設計業務委託契約書をしっかり締結する姿勢がある設計事務所であれば、追加費用やトラブルを防ぐことができます。敷地条件や要望に応じた柔軟なプラン提案ができるかも選定の重要なポイントとなります。

会社概要

会社名・・・龍美一級建築士事務所

所在地・・・〒263-0054 千葉県千葉市稲毛区宮野木町1812-9

電話番号・・・043-239-7238

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